50年位前の外壁仕上げはモルタル仕上げ・モルタルカキ落シ仕上げの戸建て住宅が主流でした。
注文住宅から建売住宅までの外壁の仕上げまたは塗装工事の下地が一般的なことから1990年までの建築物にモルタル壁が多く採用されています。
現在主流の外壁は窯業系サイディングになっていますが、モルタル壁のお家もまだまだたくさんあります。
今回は、モルタル壁の家にお住まいの方向けに、モルタル壁の意味や特徴、外壁劣化の種類や補修方法についてご説明いたします。
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目次
モルタル壁とは 特徴と長所・短所
モルタル壁は、50年くらい前に住宅の主流であった外壁材です。
セメントと砂を1:2または1:3で混合し、さらに水を練り合わせたものを一般にモルタルと言います。
1990年代までは外壁の下地・仕上剤として主流でしたが、サイディング材の普及により、工期や工事費用(工事の施工手間)の問題などから、現在外壁の仕上げではほとんど使われなくなっています。
モルタル壁のメリットデメリットは下記の通りです。
メリット | デメリット |
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1.モルタル仕上げ(下塗り)
モルタルは水・砂・セメントの混合で出来ています。水分が乾燥(酸化)することにより水分が失われて2日~7日目からクラック(ひび割れ)が起こります。
2.モルタル仕上げ(上塗り)
下塗りのひび割れの修正を行って2~3回モルタルの上塗りを行って仕上げるのが標準的な作業です。
モルタル壁によくおきる劣化症状
ここではモルタル壁によくおきる劣化症状をレベルごとにご紹介します。
- 劣化レベル1:モルタル壁の表面の撥水性能がなくなる
- 劣化レベル2:チョーキングや亀裂(亀裂のサイズ0.3mm〜)
- 劣化レベル3:亀裂の発生(0.5mm〜)・雨漏れ
- 劣化レベル4:亀裂から崩落
劣化レベル1:モルタル壁の表面の撥水性能がなくなる
レベル1は、モルタル壁の表面の撥水性能がなくなる症状です。
■主な劣化の症状
- 外壁の撥水性がなくなりだします(雨水が浸み込みやすくなります)
- ヘアークラック(小さいひび割れ)が起こりだす
■補修の内容
外壁塗装工事で補修します。レベル1の劣化の場合は塗装におけ下地補修費用も比較的安価にすみます。
■目安の時期
新築または塗装後約12年~に起こり出します。
劣化レベル2:チョーキングや亀裂(亀裂のサイズ0.3mm〜)
レベル2は塗装のチョーキング現象や小さな亀裂の発生です。
■主な劣化症状
- 何処の場所でもはっきりしたチョウキングが起こりだす
- 外壁にひび割れが、数か所以上起こりだします。0.3mm以上の亀裂から危険信号になります。
■補修の内容
外壁塗装工事で補修します。なお、ひび割れや劣化の状態によっては簡易なコーキング工事だけではカバーしきれない場合も出てきます。
■主な目安の時期
新築または塗装後約15年~のモルタル外壁
劣化レベル3:亀裂の発生(0.5mm〜)
レベル3は、亀裂の発生(0.5mm〜)です。亀裂の0.5mmを超えるモルタルの亀裂は外壁内部に雨水の進入の恐れがあります。
■主な劣化症状
- 亀裂の段差が目立つ(0.5mm以上の幅の亀裂)
- 室内に雨漏れが起こりだします
■補修の内容
外壁塗装だけでなく、建築業者への補修工事検討する必要があります。
■目安の時期
新築または塗装後約18年~20年経過
下記はモルタル仕上げの外壁の劣化および亀裂からの雨漏れの様子です。
劣化レベル4:亀裂から崩落
レベル4は亀裂からの崩落です。このレベルになると、人身事故などにもつながりかねず非常に危険です。
■主な劣化の症状
外壁の亀裂が防水紙を通過していることもよくあります。亀裂部全体にがモルタルの壁が浮きだしている
■補修の内容
建設業者・大工・左官業者の協同の工事になります。外壁塗装単体でできる工事ではありません。雨水の侵入の検討、雨漏れ・外壁劣化の調査が必要です。
■目安の時期
新築または塗装後約25年~経過
「ヘアークラック(小さいひび割れ)」~「クラック亀裂(ひび割れ)」~「雨水の侵入」~「外壁面の崩落」というように、ヘアークラックの時点でのメンテナンスに心がけて、できるだけ初期のうちにメンテナンス作業に取り掛かってください。
モルタル仕上げの外壁補修手順
モルタル仕上げのひびわれの補修方法としては、外壁塗装・サイディング貼り・カバー工法が一般的な補修方法になります。
コストから検討しますと「モルタルの劣化補修から外壁塗装」が一般的となっています。
以下に、具体的な外壁の補修方法の手順の一例をご紹介します。
外壁モルタルの補修(下地バラ板の補修例)
①バラ板(杉材)の上に防水紙をタッカーによる固定を行います。
②防水紙の周囲をコーキングで防水養生を行います。その後ラス網(金網)をタッカーで貼り付けます、粘性のあるモルタル塗りの付着をよくします。
③左官職人によるモルタルの下塗り作業を行います。外周部より仕上げ分のだんさをつけてモルタル部の下塗り工事を行います。
④下塗り用モルタルが十分に乾燥した後に、モルタルの仕上げ塗りの作業を行います。周囲と段差のない様に平滑に仕上げます。
⑤このようにしてモルタルの補修工事が完成しました、これからの作業として、「外壁塗装の工事が始まります。」
外壁モルタルの補修(ラスカットの補修例)
①外装、内装のモルタル下地材で防水紙+ラス網の施工工程を一度に済ませることが出来ます。目地の補修の作業に専用のメッシュテープ(補修テープ)を張ります
モルタルを塗ります(左官仕上の様子)
②モルタルは粘性がありラスカットとの相性がいいので、モルタル下塗り・モルタル仕上げ塗が標準の工程です。
③左官職人による、モルタル下地の様子です、ラスカットは防水紙の取付作業+ラス(金網)の取付作業をしないで、ラスカットに継ぎ目のメッシュテープを張れば、直接モルタルの下塗りの作業ができます。
モルタル工事の様子(下地塗の比較の様子)
④モルタル作業工程は通常「ラスカット取付」、「目地のメッシュテープを張り」、「モルタル下塗り」、「モルタル上塗り(仕上げ塗)」の工程で行います。
⑤モルタル仕上げの完成になります、このまま終了という場合もありますが、柄などをつけたい方向けに、ジョリパット(アイカ産業)、ベルアート(SK化研)、などの左官仕上げの下地にもなります。
また塗装仕上げの下地として、モルタル下地はよく採用されています。
モルタル壁の外壁塗装の外観例
最後に、モルタル壁の外壁塗装の外観例をご紹介します。モルタル壁のお家で外壁塗装をお考えの方にご参考になれば幸いです。
スタッコ柄付け仕上げ
モルタル下地に、スタッコの吹付塗装の様子です、凹凸が大きく一度、コケやカビが付きやすいというデメリットはありますが、独特の柄(テクスチャー)には人気があります。
ジョリパット(アイカ工業)吹付塗装
ジョリパット(アイカ工業)の仕上りの様子、ツヤ消し(マット)な仕上がりが人気の外壁用の仕上げ材です、多くのニーズに合った人気のある外壁の仕上げ材です。
ベルアート左官仕上げ(櫛引)
ベルアート(SK化研)左官仕上げの様子です、櫛引(くしびき)で仕上げることにより、外観が豪華に上品に仕上がります。
ローラー塗仕上げ
画像のローラー塗による塗装の工事です、近年の外壁塗装の工事では主流の工法です。飛散による近隣のトラブルや確実に外壁に塗料を付着さることが可能なことよりローラー塗による外壁塗装工事では人気があります。
下記にモルタル仕上げの外壁の注意点をご紹介します。
- ひび割れ:外壁のひび割れ劣化に注意をする
- チョーキング:手に塗料が付くかの確認
- 外壁のウキの確認:外壁の亀裂に雨水が侵入して、下地に漏水が始まっているかの確認
- カビ、コケが外壁についているかの確認:コケ・カビは外壁の劣化をより早く進めます、周囲に異常がないかの点検をお勧めします
- 臭いの確認:階段廻りや押入れ等に、漏水によるカビ等の発生が起こりやすいので時々ご確認してください
まとめ モルタル壁について
まとめです。今回はモルタル外壁の特徴やよく起こる劣化、補修方法や塗装工事例についてご紹介いたしました。
弊社も大阪を中心に皆様のお家の外壁診断調査や、外壁塗装工事をさせていただいております。
もしモルタル外壁の家の劣化を気にしておられる場合は「ミズノライフクリエイト」もご検討いただけましたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。