「一昨年塗装した自宅の外壁の塗装がもう剥がれてきた・・・」
外壁塗装の剥離(はくり)は、施工不良によって引き起こりやすいトラブルでもあります。
塗装工事後10年近く経過して剥離が起きてきた場合は通常経年劣化によるものですが、塗装工事後1年〜3年で剥離してきた場合は塗装の工事で何らかの問題があった可能性があります。
ここでは、「そもそも塗装が剥がれる原因ってなんだろうか?」と疑問に思われる方に、外壁塗装が剥がれる原因について、塗装の専門家の目線からご説明をしたいと思います。
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目次
【はじめに】塗装の剥離(はく離)が起きる原因
塗装の剥離が起きる根本的な原因は「下地と塗装(塗膜)がしっかりと密着・定着ができていないことによる塗装の剥離」です。
下地と塗装が密着できていないため下地から剥がれてしまいます。
「下地と塗装(塗膜)がしっかりと定着ができていない」状態は何によって引き起こされるかというと主に下記のケースなどが考えられます
塗装の剥離(はく離)が起きる原因
- 塗装前に下地処理・洗浄がしっかりとできていない
- 下塗り(下地塗り)が適切にできていない
- 塗装と塗装の間の乾燥時間が間違っている
- 下地と塗料の相性が悪かった
- 下地が想定外に劣化していた
ここでは、上記についてそれぞれ詳しく説明していきます。
【原因1】塗装前の下地処理・洗浄がしっかりできていない
塗装の剥離の一つ目は、「下地処理・洗浄不足(洗浄がしっかり行われていない)ことが原因での塗装の剥離」です。
外の空気や雨や風にさらされている外壁には、劣化した塗膜が残っていたり、苔やカビ・錆び、その他多くの不純物が付着していたりします。
どんなに良い塗料を使っていても、浮きや剥離の起きた劣化の激しい塗膜や苔・かびなどの不純物がある状態で上から塗装をすると塗料が定着せずに、塗装の剥離原因になります。
塗装をする前には、これらの劣化した塗膜を処理したり、不純物を徹底的に落とすことが重要です。
(関連記事)【高圧洗浄とは】外壁塗装における高圧洗浄の役割とバイオ洗浄との違い
弊社では苔・カビなどが繁殖している場合、洗剤を使ったバイオ洗浄を行っております。
カビ菌やコケの発生している外壁には、外壁や屋根にカビ菌の根が繁殖しており、通常の水を使った高圧洗浄でも限界があります。
水道水で高圧洗浄しても菌はしっかり残っているため、根本まで洗浄を行ってカビ菌の除去するために外装用の専用洗剤をつかった洗浄が有効です。
■洗浄剤を使用した洗浄では、下記のように高圧洗浄と洗浄剤を組み合わせて3回の洗浄を行います。
- 初期の洗浄(高圧洗浄 1回目)
- バイオ洗浄や洗剤を使用した外壁の洗浄(洗浄剤を使用しての洗浄)
- 洗浄剤を洗い流します。(高圧洗浄 2回目)
カビ・苔(コケ)・汚れ等々をきっちり洗い落とすことで、塗装時に塗料の付着力を向上させる効果があります
バイオ洗浄についての詳しい説明は「外壁塗装におけるバイオ洗浄の役割・特徴とメリット デメリット」をご参照いただければ幸いです。
【原因2】下塗り(下地塗り)が適切にできていない
二つ目は、「下塗りが適切にできていない(または省略している)ことに起因した塗装の剥離」です。
外壁塗装は、劣化した塗膜の剥離したり、高圧洗浄などで不純物を洗い落とした後、下塗り→中塗り→上塗りと通常3回の塗装の工程を行います。
この中で「下塗り」は、プライマー やシーラー といった下塗り用の塗料を使い、中塗りや上塗りで行う塗料との接着効果を高める効果があります。
ですから、この下塗り剤が不適切に使われていたり下塗りが省略されていたりすると、塗装が剥がれる原因になります。
(関連記事)【外壁塗装で使うプライマーとは】下塗り塗料プライマーの役割と重要性
(補足)下塗り塗料はメーカーで指定されています
通常、下塗り塗料は外壁や上塗りで利用する塗料によって製品が指定されています。
下記は塗料メーカーのカタログです。カタログの見方が塗装工事において重要ですので、参考までに見方をご紹介します。
(出典:日本ペイント社パーフェクトトップのカタログ)
上記は通常使用の場合に関する記述ですが、推奨する下塗り塗料がメーカーから指定されています。
上記例では、「①モルタル・コンクリート系はニッペパーフェクトフィラー」、「②窯業系サイディングボード・ALCパネル系はニッペパフェクトサーフ」と分類されています。
また、外壁の状態や気象条件・施工条件により、標準の以外の対応策も記載されています。
※上記の各数値は、すべて標準のものです。被塗物(ひとぶつ:外壁の塗装の目的の対象物・材質の状態・部位の劣化状態)形状・素地の状態・気象条件、施工条件によりそれぞれ多少の幅が生じることがあります。
※カタログに記載されている内容は一般的な環境下での施工を想定して記載されております。特別な環境が想定手される施工現場・部位に塗装される場合は、事前に必ず当社営業までご相談いただきますようお願いします。
(ニッペパーフェクトトップーカタログより引用)
このように、条件によって適切な下地塗料を選択する必要があります。
この下塗り剤が不適切に使われていた、あるいは下塗りが省略されていたりすると、塗装が剥がれる原因になります。
【原因3】塗装と塗装の間の乾燥時間が間違っている
三つ目の原因は、「塗装と塗装の間の乾燥時間が間違っていることに起因した剥離」です。
塗料は、塗料メーカーで乾燥の推奨時間が指定されています。
これを無視して、人件費削減のために1日に「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3工程をやってしまったり、逆に塗装の塗装の間の時間が開きすぎたりすると、塗膜がしっかりと形成されずに剥離の原因になります。
以下は先ほどのカタログの乾燥時間に関する記載です。
(出典:日本ペイント社パーフェクトトップのカタログ)
塗り重ね乾燥時間が表示されています。
上記カタログでは、外気23度の環境下において、下記の記載があります。
- モルタル、コンクリート系はニッペパーフェクトフィラーは、4時間以上の乾燥時間
- 窯業系サイディングボード、ALCパネル系はニッペパフェクトサーフは3時間以上の乾燥時間
乾燥時間は短すぎても長すぎても駄目でベストなタイミングで次の塗り工程を行う必要があります。
【原因4】下地と塗料の相性が悪い
4つ目の原因は、「下地と塗料の相性問題に起因した剥離」です。
外壁にもモルタル・サイディングなど様々な種類があります。中には外壁と利用している塗料の相性が悪いという相性問題もあります。
相性問題を回避するためには、事前に塗膜テスト(下地と塗装の相性テスト)を行うことで回避することができます(※ただしパッチテストも100%完全ではありません)。
(関連記事)【外壁塗装のパッチテストとは?】必要性とやり方を徹底解説
剥離テスト(パッチテスト)を行って、付着が確認してからの出来事です。
高圧洗浄~バイオ洗浄が終了~下地塗料の工事が始まって外壁塗料に小さな異変が起き出しました。
下塗りが小さく膨れてきだしたのです。その結果、下塗りが捲れる場所とまったく捲れない場所があることがありました。
下塗りの段階で多量の水分を含むと(台風20号の後)、小さな水疱がポツポツと出来てきます。
突然塗装が浮き出す浮き出すー強制剥離の様子
この写真は、当時の新規開発の塗料を使用していたときの様子です(現在はこの塗料はありません)
施工手順もパッチテストの結果も良好でしたが、突然の水疱や塗装のウキが起こりました。
経年劣化によるチョーキングが出ているところとまったく出ていないところとがありましたが、同じ外壁でも、時間差で塗料の剥離が起こることがあります。
超耐久の影響なのか?当時の塗料の攪拌不足による(施工不良)なのか?いろいろな原因は考えられますが、塗り替えだけではなく外装リフォーム(下地からの補修)も必要な場合もあります。
【原因5】下地が想定外に劣化していた
最後にご紹介する原因は「外壁が想定外に劣化していたことによる剥離」です。
劣化している外壁に無理に上から塗装をしても、再び塗装が剥がれてくることがあります。
上記例では、一見外壁塗装では異変がないようにに見えていますが、いざ下地を詳しく診断してみると、内部でひび割れや剥がれが多数カ所出てきました。
このような場合は下地からの補修・リフォームが必要です。
(関連記事)【外壁劣化の種類は?】塗装で直せる壁と塗装だけでは直せない壁の違い
以上、ここでは塗装が剥離する原因についてあげました。
この他にも塗料メーカーが指定する以上に塗料を希釈したり、メーカーの塗装仕様からはずれた塗布量で塗装しているなど、誤ったやり方をすれば塗装品質は悪くなってしまうため注意が必要です。
まとめ 外壁塗装が剥がれる原因について
まとめです。今回は、外壁塗装が剥がれる原因について、下記の5つの原因についてご紹介しました。
- 塗装前に下地処理・洗浄がしっかりとできていない
- 下塗り(下地塗り)が適切にできていない
- 塗装と塗装の間の乾燥時間が間違っている
- 下地と塗料の相性が悪かった
- 下地が想定外に劣化していた
塗料は食材と同じであくまで材料です。たとえ高級塗料や超耐久の塗料を使って塗装を行っても、塗装の仕方次第で塗料の性能を発揮できるか否かは変わってくることに留意しておきましょう。
なお、弊社も大阪を中心に皆様のお家の外壁塗装工事をさせていただいております。
外壁塗装だけではカバーできない進行した外壁劣化や損傷もトータルに対応できることが強みです。
大阪で外壁塗装を考えておられましたら、「ミズノライフクリエイト」も是非ご検討いただければ幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。