「外壁のコーキング(ゴムの部分)にヒビが入ってきた・パサパサになってきたんだけれど、業者に修理してもらったほうが良いんだろうか?」
外壁劣化で外壁塗装以外で気をつけないといけないのが、外壁材を接着するコーキング部分です。
ここではこれまで大阪を中心に1万件以上施工をしてきた弊社が、外壁のコーキング劣化症状と原因および対処法について解説します。
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外壁のコーキング(シーリング)劣化について
コーキング(シーリングとも言います)は、外壁と外壁の間にあるゴム状のことで、水の侵入を防いだり、外壁と外壁の衝突を防ぐクッションになったりなど、建物の水密性や気密性を保持する役割を持っています。
このゴム状のコーキング(シーリング)で、柔らかさを維持している成分が可塑剤(かそざい)で、紫外線などの外的要因で劣化していきます。
築10年(または前回の外壁塗装から10年ほど)の外壁であればコーキング材の寿命はおおよそ5〜10年程度のものが使われていることが多く、コーキングの割れや硬化、欠損などの劣化が始まっているところも多いと思います。
最近では、フッ素や無機塗料など耐用年数が15年を超える超耐久塗料も使われるようになってきました。
外壁塗装で注意が必要なのが、塗料そのものが耐用年数以内であっても、コーキング部分やその他の付帯部が先に寿命がきてそこから劣化が始まってしまうというパターンです。
外壁塗装で超耐久塗料でなんでも解決できるかと言われるとそうではなく、実際にはその他の部分の耐用年数にも注意する必要があります。
コーキングの劣化の原因
下記はコーキング(シーリング)の劣化の代表的な流れです。
①:耐ムーブメント力(柔軟性)がなくなることによる、コーキングの剥離や亀裂
②:可塑剤が流出による、シーリング材が硬化(硬くなる)したり、また表面がべたつきだします。
③:紫外線劣化による劣化(チョーキング 白華(はっか)現象)
④:コーキングのひび割れから、損失や欠損が起こりだします。(雨漏れが起こりだします)
今回は上記の流れでコーキングの劣化の原因について説明していきます。
耐ムーブメント力がなくなることによるコーキングの剥離や亀裂
外壁は四季や毎日の温度や湿度の変化により、膨張と収縮(ムーブメント)を繰り返しています。
外壁のムーブメントにより、コーキングがダメージにより、切れたり(凝集破壊)、はがれ(剥離)たりします。
可塑剤が流出によるシーリング材が硬化
このゴム状のコーキング(シーリング)に含まれる可塑剤(かそざい)は、紫外線や風雨や雨水の影響(経年劣化)により、可塑剤(かそざい)が溶けて、表面に出てきます。
また着色剤が含まれている場合には、表面がべたついてコーキング部分が汚れたように見えます(ブリード現象)。
紫外線劣化による劣化(チョーキング白華現象)
紫外線や雨や風による外的要因によって、亀裂やひび割れを起こり始めたコーキング材は、さらに紫外線等の外的刺激を受け続けることで樹脂が分解されます。
コーキング内部の成分が表面に出てきてしまいます。(チョーキング)。コーキングに弾力性がなくなっていて、現状はコーキングがすでにパサパサになっている状態です。
コーキングの損失や欠損
チョーキング 白華(はっか)現象が進むと、表面にひび割れ(クラック)が大きくなります。
このクラックや劣化がさらに劣化が進むことにより、シーリング材自体が風化が進みます、コーキング材が損失してしまいます。
窯業系サイディングの場合はよく、変形や反りがおこりだします。またコンクリート系やALC(外壁)においては、鉄骨材(配筋)の錆や亀裂が起こりこます。そのころから雨漏れが慢性になりやすいです。
サイディングの反りや変形により、断熱材に雨水が滞在します。断熱材に雨水が飽和状態(満水)になると、室内に雨水が侵入しだします。
コーキングの寿命
従来品のコーキング材の寿命は、5年〜10年です。築10年以前の住宅やマンションのコーキングに使用されている耐用年数は、約5年~7年のものがほとんどです。
近年のコーキング材の耐用年数は、超耐久のコーキングで約10年~15年以上のものがほとんどです。外壁の塗料は耐用年数が約10年~と年々耐久力を伸ばしてきているので、コーキング材のバランスも同じように検討する必要があります。
■塗料の耐用年数とコーキング材の耐用年数が不一致
■塗料の耐用年数とコーキング材の耐用年数が一致
■下記は弊社でよく取り扱うコーキング材です。
項目 | 内容 |
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![]() オートン化学 イクシード(ジョイントエンペラー) |
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![]() オートン化学 TF-2000(超耐久シーラー) |
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![]() オートン化学 サイディングシーラント |
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コーキングの劣化が起きたときの対処法
コーキングの劣化ののヒビ・剥がれ・浮きが起きたときの対処法は「コーキング工事」です。
すでに劣化したコーキング材を撤去して、新しいコーキング材を補填する必要があります。
下記は、窯業系サイディングのコーキング工事(ジョイント部)の場合です。
1:コーキングの劣化の様子
2:劣化している、コーキング材を撤去します。(ジョイント部)
3:養生用テープを張り合わせます。その後コーキング材用のプライマー(接着剤)を塗布します。
4:コーキング材を注入します。
5:コーキンギ材の工事の完成です。

コーキングの劣化の原理(タイプ別)
ここでは、コーキング劣化の原理について建築士の立場からもう少し詳しく説明していきます。
①:コーキング(シーリング)の亀裂について
意外に思われるかもしれませんが、外壁材は常に膨張と収縮(ムーブメント)を繰り返しています。
わかりやすいように、夏季の日中の気温変化(外壁サイディングの高温による膨張)と冬季の夜間の温度変化(外壁サイディングの低温による収縮)による、外壁材の熱膨張と収縮(ムーブメント)を繰り返している様子をイメージ化してみます。
①:夏の日中はサイディングの膨張~コーキングが圧縮される
このように、夏季の日中はサイディングの膨張(ぼうちょう―膨らむ)により、コーキングは押されることにより、凸型に変形します。(コーキングの圧縮)
②:冬の夜間はサイディングの収縮(しゅうしゅく)~コーキングが引っ張られる
冬季の夜間はサイディングの収縮(しゅうしゅくーちじまる)により、コーキングは引っ張りられることより凹に変形します。(コーキングが引っ張られる)
コーキングは日常及び四季を通じて、このように負荷(コーキングの圧縮~コーキングの引っ張り)がかかっています。
③:夏季の日中はサイディングの膨張と、冬季の夜間はサイディングの収縮の様子
夏季の日中はサイディングの膨張と冬季の夜間はサイディングの収縮の様子、およびコーキングの形状を気温のグラフで説明します。
このことから、コーキングの圧縮や引っ張りによる負荷が、亀裂や剥がれ(凝集破壊)が起きやすくなります。
膨張・収縮のコーキングへの負荷から亀裂が起こっている、窯業系サイディングの様子
②:経年劣化によるコーキングの劣化について
つぎに経年劣化によるコーキング劣化の様子について説明していきます。
健全なコーキング(シーリング)の状態について
健全なコーキングの状態は、防水性(ぼうすいせい)の効果も高く、雨水の侵入を防ぐ効果があります。また気密性(きみつせい)の高い効果も合わせ持っていますので、強風にも室内への、風の侵入を防ぐ効果があります。
(劣化レベル 1):経年劣化中期のコーキングの状態
コーキング材が、ゴムのように柔らかくする「可塑剤(かそざい)」という成分が配合されています。
可塑剤も年月が経つにつれ、配合されている可塑剤が流出します。コーキング材がべたついたりします、またコーキング材が硬化しして、コーキング材に柔軟性がなくなり、硬くなってしまいます。(劣化レベル 1)
コーキング材に含まれている、可塑剤が外部に流出していて、外壁塗装を犯しだしている様子。可塑剤の流出による、べたつきが黒くにじんでいる様子。
(劣化レベル2):経年劣化長期のコーキングの状態
可塑剤の大量の流出により、コーキング材の柔軟性(じゅうなんせい)がなくなっている様子です。コーキング材の劣化が目立っようになっている。(劣化レベル 2)
チョーキング(白華現象)が起きている。またコーキング材のパサパサした様子が分かります。
(劣化レベル3):経年劣化長期のコーキングの状態①
コーキング材の損傷の様子、このころから、外壁材や室内に雨漏れが起こってきます。
(劣化レベル4):経年劣化長期のコーキングの状態-②
コーキング材の劣化による、窯業系サイディング材の変形・反りの様子。サイディング下の断熱材まで雨水で浸水から、室内に雨漏れが起こりだしている。
コーキング材や外壁塗装の劣化によるよる雨漏れも起こりだします。このような状況から考えても「コーキング材と外壁塗装は同時進行と考えた方がいと言えます。
まとめ
まとめです。今回は、外壁のコーキング劣化症状と原因および対処法について解説しました。
実際の現場では、一見大した劣化がないように見えても、サーモカメラなどで外壁調査をすると実は見えない内部で劣化が進行していた。と言うケースもよくあります。
ですから、安易に判断して放置したままにしておくと、後で大きな修繕が発生するケースもあるので注意が必要です。
弊社も大阪を中心に皆様のお家の外壁診断調査や、外壁塗装工事をさせていただいております。
もし家の劣化を気にしておられる場合は「ミズノライフクリエイト」もご検討いただけましたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。