【外壁塗装の見積もり総まとめ】見積書例と項目や内訳を徹底解説

【外壁塗装の見積もり総まとめ】見積書例と項目や内訳を一級建築士が徹底解説

外壁塗装で見積書を見たときに、「この項目は必要なのか不必要なのか、この金額が妥当なのかどうなのか」見積書の見方がわからずにお悩みの方も多いのではないでしょうか。

外壁塗装は一般的な戸建ですと100万円前後かかる大きな工事ですので、その分慎重になる方も多いと思います。

そこでここでは、これまで1万件以上の施工をしてきた弊社が、これから外壁塗装を検討されている方向けに、弊社で利用している外壁塗装の見積書を例に、各項目の内容と内訳を解説いたします。

 

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目次

 

 

外壁塗装の見積もり項目

 

弊社で利用している外壁塗装の見積書

下記は、実際に弊社で利用している外壁塗装の見積書のサンプルです。

今回は下記の見積書を例に外壁塗装の見積もり項目と内訳をご説明していきます。

 

業者であれば以下のように詳しい工程を入れるケースが多いです。

項目 内容
【基本】足場設置 足場作業は「仮設足場」と「飛散防止シート」と二つの作業。
単価×平方メートルで金額を算出します。
【基本】窓養生 高圧洗浄や塗装で汚れないように養生する作業。
弊社の場合は、窓や開口部のか所数で金額を算出します。
【基本】高圧洗浄 高圧洗浄機で、外壁を洗浄する作業。
単価×平方メートルで金額を算出します。
【基本】下地処理 外壁の下地処理。
一式または単価×平方メートルで金額を算出します。
【基本】下塗り プライマーなどを用いた外壁の下塗り塗装作業。
単価×平方メートルで金額を算出します。
【基本】中塗り・上塗り 外壁・上塗り塗装作業。
単価×平方メートルで金額を算出します。
【基本】コーキング コーキングの作業
単価×メートルで金額を算出します。
【オプション】付帯部塗装 雨戸、シャッターボックスなどの付帯部の塗装作業。
か所数で金額を算出する場合と単価×平方メートルで金額を算出する場合があります。
【オプション】その他補修作業 軒天、破風などの作業。
各建物の劣化状況によって必要があれば実施。
諸経費(廃棄費用など) 廃棄費用などの諸経費。

【基本】と書いてあるのは、一般的に外壁塗装工事をする場合に必ず必要になる項目です。

【オプション】はケースバイケースで必要になる項目です。

(※)業者によっては下塗りと下地処理が一つの項目として表現されていたり、表現方法は業者によって異なる場合がありますので、あくまで参考としてみていただければ幸いです。
 

外壁塗装の見積もり相場(弊社の場合)

実際に一般的な戸建住宅(2階建・30坪)の場合、弊社を含めて一般的な外壁塗装の相場感はおおよそ70万円〜150万円くらいです。

最近では3階建40坪近い戸建住宅も多くなってきていますので、最近は実質100〜150万円で工事をすることも多いです。

家の形状 外壁塗装の相場 屋根塗装の相場
2階建20坪の場合 60〜90万円くらい 18〜25万円くらい
2階建30坪の場合 70〜100万円くらい 20〜30万円くらい
2階建40坪の場合 90〜120万円くらい 25〜50万円くらい
3階建30坪の場合 85〜120万円くらい 18〜25万円くらい
3階建40坪の場合 95〜150万円くらい 20〜30万円くらい
3階建50坪の場合 110〜180万円くらい 25〜50万円くらい

(※)一般的な中級塗料で塗装した場合を想定しています。
(※)家の形状:2階建(1階平面がそのまま2階も同じ場合)・3階建(1階平面がそのまま3階も同じ場合)
(※)開口部・ベランダ部・ガレージその他、いろいろ諸条件が加わりますが目安にお考えください。
 

外壁塗装の見積もり内訳

外壁塗装の見積もり内訳について、仮に100万円とした場合はおおよそ下記のような内訳になります。

  • (塗料等)材料費:30万円
  • 人件費(足場代含む):50万円
  • (養生ビニールなど)消耗品:10万円
  • 諸経費:10万円

上記のうち人件費(上記例の50万円分)には、工事の工程によってそれぞれ下記の業者分がかかってきます。

  • 塗装業者(職人の人件費)
  • コーキング業者(職人の人件費)
  • 足場業者(職人の人件費)

 

水野社長_カラー
この人件費の部分の作業は値引きの対象になりがちですが、人件費は人が行う作業で品質担保に直結する重要な要素ですので安易な値引きトークには注意が必要です。

また、施工だけではなくその他の経費も大切です。アフターメンテナンスやサービスになります。年々レベルの向上とともに10%は越えつつあります。

※コーキング工事:窯業系サイディングの場合は、コーキングの目地(ジョイント部)・窓回り部のサイズは様々なので今回は予算に含まれていません

 

 外壁塗装の見積書項目ごとの具体的な内容

ここからは、弊社の外壁塗装の見積書を例に、項目ごとの具体的な工事内容についてご紹介していきます。
見積書パターン1
 

【基本】足場設置

外壁塗装ではまず足場工事を行います。仮設足場は実際の面積より、外周にはみ出している分10%ほど大きくなります。

 

外壁塗装はほぼ全てのケースで足場設置が必要です。足場工事は、外壁塗装工事で必ず見かける共通の見積もり項目です。

足場設置の見積もり算出

見積もりは単価×平方メートルで算出します。

足場作業は「仮設足場」と「飛散防止シート」と二つの作業が含まれます。

通常足場費用は「仮設足場費用(組立費及び解体費)+飛散防止用シート費用」でおおよそ1,000円前後が一般的です。距離により運搬費もかかります。

仮設足場費用(組立費及び解体費)の相場は、800円/㎡~900円/㎡
飛散防止用シート費用の相場は、100円/㎡~150円/㎡

(例)3階建の建物の場合

3階建(軒下高さ8.5m・外周21m)で、足場単価1000円/㎡の場合

足場設置にかかる費用=軒下高さ8.5m × 外周23.1m × 約1000円/㎡=196350円(約20万円)が金額になります。

※家の外周が21mの場合、外壁面から余裕がないと足場は組めないことから、通常1割外周より大きく取ってここでは外周23.1.mにしています(弊社では足場外周係数と呼んでいます)。
外周21m:(4.5m+6m+4.5m+6m)×1.1(足場外周係数とします)=23.1.m

なお、同様にして算出すると、2階建ての場合はおおよそ「15〜18万円」くらいが相場になります。

なお、公共の道路に建築物が面していて、道路に接している場合には道路使用許可が必要となります。

また傾斜地や車両が入れないような狭い路地奥にある建物でリフォームをする場合や建物が隣接している場合において、警備員を依頼するときなどには、さらに予算がかかることがあります。

ここでの例はあくまで参考としてみてください。

 

【基本】高圧洗浄

高圧洗浄は、高圧洗浄機で外壁を洗浄する作業です。

長年の外壁のホコリや汚れを、水道水を高圧洗浄機を使用することで、外壁のホコリや汚れを洗い落とします。


 

高圧洗浄の見積もり算出

見積書には、高圧洗浄の面積が書かれていることが多いと思います。

具体的に高圧洗浄の作業面積は、外壁の主要部が適応される範囲になります。

水野社長_カラー
外壁の主要部分という場合は、赤の線引きが面積になります。

通常は4面(北・南・東・西面)です、大阪市内の住宅は隣接している建物も多くありますご注意ください。

なお、カビ・コケ類が外壁に付着している場合は、弊社では水による高圧洗浄だけでなく、専用のカビ・コケ等の除去剤を利用します

高圧洗浄の見積もりは、単価×平方メートルで金額を算出します。

単価は250円/1㎡程度が相場だと思います。

(例)3階建・外壁面積180㎡の場合

高圧洗浄にかかる費用=外壁の面積 180㎡×250円/㎡=45,000円 (約45,000円~50,000円程度)

なお、洗剤を用いた高圧洗浄(バイオ洗浄)をする場合、通常100㎡/円~250㎡/円の価格アップが必要になります。

(関連記事)【高圧洗浄とは】外壁塗装における高圧洗浄の役割とバイオ洗浄との違い

(関連記事)外壁塗装におけるバイオ洗浄の役割・特徴とメリット デメリット

 

【基本】(ビニール)養生

外壁部に面している、サッシや玄関サッシ・勝手口サッシなどの養生が必要です。

養生は仕上をきれいに仕上がる効果と、散水や塗料の飛散によるトラブルを防ぎます。

  • 建物の境目のを養生用により美的に仕上げる効果。
  • 建物に塗料が飛散するのを防ぐ役割
  • 高圧洗浄やバイオ洗浄を行う時に、サッシや玄関廻り、植木や植栽等が汚れないように工事の汚れを防ぐ効果

 

外壁部全体からの(ビニール)養生部分の説明

赤い点線で囲まれている部分がビニール養生になります、状況によって笠木部・樋部もビニール養生を行います。

ビニール養生の工程は、外壁塗装の塗料が窓サッシや窓ガラスに飛散しないように行います。

養生は、散水や塗料の飛散によるトラブルを防ぐための事前作業です。

(ビニール)養生の見積もり算出

見積もりは、窓及び開口部の所数により金額を算出します。単価はおおよそ1,000円前後です。

(例)窓の数量:15か所、開口部の数:2か所の場合

養生費=(15か所+2か所)×1,000円=17,000円

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仕上のレベルを上げるために、ビニール養生は植栽・サッシの廻りの汚れを防ぐためには必要な工程です。

 

【基本】下地処理

下地処理・下地の補修は塗装会社によって同じ場合と違う場合がありますのでご注意してください。今回は外壁の亀裂部分の補修作業の様子です。

下地処理外壁の劣化部分(今回は亀裂補修)の補修用、コーキングの様子を載せさせていただいています。

範囲は外壁劣化状態によってまちまちです。「外壁塗装の主要部における必要箇所」だとお考え下さい。

下地処理の見積もり算出

簡易な下地処理は専用補修剤コーキングによる下地の補修方法があります。

見積もりは、1式~単位×平方メートルで金額を算出します。

(例)1式の場合=25,000円~30,000円
 
クラックが大きい外壁の補修には、以下の3つの方法もあります。この場合も見積もり価格は変わってきます。

  • 専用の補修材による下地補修
  • 大型の柄付けの下地の補修仕上
  • 左官工事や吹付作業も考慮に入れる方法もあります。

 

【基本】コーキング(シーリング)

コーキング工事は窓回りやジョイント部分に使用されます。

画像のようにタイル部分がある場合目地替わりに使用したりする場合もあります。どこまでコーキング工事を行うかは、業者によって判断が別れることも多い箇所です。


 
外壁部分のジョイント・サッシ廻りには、コーキング工事が行われます(赤線部分)。

コーキング(シーリング)の見積もり算出

コーキングの作業は、単価×メートルで金額を算出します。

コーキングは、「増し打ち(そのままコーキングを行う)」と「撤去(現状のコーキングを撤去)+増し打ち(そのままコーキングを行う)」の2パターンに大きく分かれます。

コーキング剤にもよりますが、増し打ちの場合650円/m~1000円/m程度、撤去+増し打ちの場合950円/m~1200円/m程度の単価になります。

(例1)窯業系サイディング・増し打ち・コーキング長さ100m場合

コーキングの費用= コーキング長さ 100m × 650円/m~1000円/m = 65,000円~100,000円

(例2)窯業系サイディング・撤去+増し打ち・コーキング長さ100m場合

コーキングの費用= コーキング長さ 100m × 950円/m~1200円/m = 95,000円~120,000円)

※コーキングの種類や外壁の施工の材料(ALC・サイディング等々)により価格は変わります。
 

【基本】下塗り

下塗りは、プライマーなどを用いた外壁の下塗り塗装作業です。

下塗りの対象部分は、外壁部分の大面積部分です。

下塗りの見積もり算出

単価×平方メートルで金額を算出します。

プライマーの種類にもよりますが、単価は600円/㎡~1050円/㎡程度です。

(例)外壁面積 180㎡ の場合

下塗りにかかる費用=180㎡ ×(600円/㎡~1050円/㎡)= 108,000円 (約108,000円~189,000円程度)

(関連記事)【プライマーとは】外壁塗装で使う下塗り塗料プライマーの役割と必要性

 

【基本】中塗り・上塗り

下塗りをした後は、中塗りや上塗り(仕上げ塗り)を行います。

中塗り・上塗りの見積もり算出

単価は使用塗料にもよりますが、おおよそ750 円/㎡~1200 円/㎡程度です。

(例)外壁塗装面積 中塗り・上塗り 180㎡ の場合

中塗りにかかる費用=外壁の面積 180㎡ ×(750 円/㎡~1200 円/㎡)= 135,000円 (約135,000円~216,000円程度)

上塗りにかかる費用=外壁の面積 180㎡ ×(750 円/㎡~1200 円/㎡)= 135,000円 (約135,000円~216,000円程度)

(関連記事)【外壁塗装の基本3回塗り】下塗り・中塗り・上塗りの役割と必要性

 

【オプション】付帯部塗装

外壁塗装と付帯部分はセットで思われているのですが、分離で見積書が書かれている場合があります。ここでは【オプション】扱いで書かせていただきました。

外壁塗装工事での付帯部分の説明

次の画像のように、破風部・笠木部・樋部は通常は1式とは書かず、価格・単価・メーター数等で表示されています。

箇所数で金額を算出する場合と単価×平方メートルで金額を算出する場合があります。

付帯部は色々なパターンがあるためここでは割愛します。付帯部は見積もりから忘れられがちで、後々追加費用やトラブルになりやすく注意が必要です。

【知っておきたい】外壁塗装で忘れがちな付帯部の箇所と塗装の重要性

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過去、外壁塗装工事がはじまってから「付帯部分は追加オプションです。」と言われた方もいらっしゃいました。

失敗を未然に防ぐためにもご自宅にどのような付帯部があるかを理解することは重要です。

付帯部のメンテナンスも十分に理解されると、より長寿命で安心できる工事になります。

 

【オプション】補修作業

 

軒天、破風などの作業。各建物の劣化状況によって必要があれば実施します。

近年のゲリラ豪雨や台風により外壁以外に付帯部の劣化している建物もあります。塗装工事以外もオプションで補修工事も必要な場合が多いです。

外壁には塗装以外にも色々な工事・業者があります

外壁に関わる業者は塗装以外にいろいろあります。具体的にいうと、外壁の工種(仕事)は概ね8業者です。

  1. 足場業者
  2. 板金業者 (サイディング・水切り板金工事)
  3. 大工 (下地・造作工事)
  4. 左官業者 (下地・仕上げ工事)
  5. サッシ業者 (窓周り工事)
  6. コーキング業者 (窓周り・目地工事)
  7. 防水業者 (ベランダ・屋上防水工事)
  8. 塗装業者

塗装は(8)の工種になりますが、一口に外壁塗装といっても外壁劣化状態によって塗装以外の補修が必要なことも多いです。塗装以外の工事が必要な場合、補修工事を専門業者に依頼をしているか確認しておいた方が良いでしょう

(関連記事)【外壁劣化の種類は?】塗装で直せる壁と塗装だけでは直せない壁の違い

 

【オプション】屋根塗装関連項目

 

外壁塗装と合わせて屋根塗装も実施する場合は、屋根塗装関連項目も含まれます。

同時にする場合は一回の工事費用は外壁塗装のみの場合と比較して高くなりますが、足場工事が一回になるため、長期的にみると安価に済ませられるのでおすすめです。

 

外壁塗装見積書のチェックポイント9項目

次に、外壁塗装の見積書のチェックポイントについて説明していきます。

下記は、実際に弊社で利用している外壁塗装の見積書のサンプルです。今回は下記の見積書を例に外壁塗装の見積もり項目と内訳をご説明していきます。


※見積書の書式は塗装業者によって、塗装工程や項目、塗料の仕様等々違っている場合がよくありますので一例としてご参考ください。(フォーマットがバラバラなこの点も一般の方が戸惑う原因になっているのではないでしょうか。)

 

外壁塗装で見積もり書をもらったときに確認するべき項目は下記の通りです。

■外壁塗装で見積もり書で注意するべき9つのチェックポイント

  • 使用塗料の製品名・メーカーが明記されているか
  • 下塗り塗装があるか。塗料は中塗り・上塗り塗料と違っているか
  • 下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り以上になっているか
  • 高圧洗浄工事または、外壁洗浄剤+高圧洗浄工事が含まれているか
  • (相見積もりの場合)内訳、単価や平方メートルに著しい違いがないか
  • ケレン工事(汚れの激しい部分や鉄部のさび落とし費用)が含まれているか
  • 付帯部塗装(鉄部塗装・木部塗装など)が含まれているか
  • その他ヶ所(軒天の塗装やガレージの壁・天井など)の塗装が含まれているか
  • 補修作業(外壁の劣化が激しい場合)が含まれているか

 

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これらの記載事項以外に打ち合わせ内容や確認事項はいろいろありますがご参考にしてください。

【ポイント1】使用塗料の製品名・メーカーが明記されているか

1つ目のチェックポイントは、「使用塗料の製品名・メーカーが明記されているか」です。

 

 

見積書に具体的な塗料の製品名が書かれているかをチェックしましょう。

同じシリコン塗料でも、種類は何十種類もあり、安価なものから品質の高いものまで様々で耐候年数も違います。

まれに全く無名なメーカーによる塗料を新開発の画期的な塗料と称して販売する悪徳業者もいます。

こういった塗料は十分な品質テストが行われておらず、塗装トラブルがおきやすいというリスクもあります。

実績のある塗料メーカーであればそれぞれ各社しっかりした品質基準を設けて品質テストもクリアしているので安心です。

 

製品名がわかればメーカーから性能を調べることができます。

塗料の商品名を記載していることは重要です。各塗料メーカーのサイトから見積もりの塗料の情報をいろいろ調べられるので、理想とする性能か?のチェックできます。

 

 

下記記事に、塗料メーカーの中でも弊社がよく使っており、実績のある塗料メーカーをご紹介しますので、ご興味ある方はご覧ください。

(関連記事)外壁塗装のおすすめ有名塗料メーカー7社を一級建築士がご紹介

 

【ポイント2】下塗り塗装があるか。塗料は中塗り・上塗り塗料と違っているか

2つ目のチェックポイントは、「下塗り塗装があるか。下塗り塗料と中塗り・上塗り塗料は違う塗料になっているか」です。

 

下塗り塗装では、プライマーやシーラーといった外壁と上塗り塗料を密着・接着させるための接着剤の役割を持つ下塗り用塗料を使います。

下塗り塗装は、外壁塗装において非常に大切な工程です。

経年劣化した外壁は小さなひび割れなどの劣化があります。下塗りは、これらの劣化を補修しつつ、中塗り・上塗りの塗料との密着・定着をさせるための役割を持っており、中塗り・上塗りとの塗料は異なります。

下塗りが適切にできていないと、塗装工事後2、3年以内に剥離(はく離)や浮きなどのトラブルが発生することもあります。

下塗り塗料は金属用やサイディング用及びALC用等々用途によって、下塗り塗料を使い分けします下の画像のように分類させます。

 

(関連記事)【外壁塗装が剥離原因は施工不良?】塗装が剥がれる理由を徹底解説

 

【ポイント3】下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り以上になっているか

3つ目のチェックポイントは、「下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り以上になっているか」です。

 

外壁塗装では「下塗り」および「中塗り」「上塗り」の3回塗りが一般的です。

先ほど説明したように下塗りでは、プライマーやシーラーといった外壁と上塗り塗料を密着・接着させるための接着剤の役割を持つ下塗り用塗料を使います。

一方、中塗り・上塗りでは上塗り用の塗料を使い、美観を作り(保持して)、外壁を紫外線や雨や風から守るための役割を持っています。

上塗りと中塗りはほぼ同じ役割ですが、中塗りだけでは色むらや機能面が弱くなりがちになるので、上塗りによってより強固な塗膜を形成させます。

(関連記事)【外壁塗装の基本3回塗り】下塗り・中塗り・上塗りの役割と必要性

(注)すべての塗料が3回塗りというわけではありません

すべての塗料が3回塗りというわけではありません。

塗料メーカーの商品でシーラーレス(下塗り不要の意味)の場合があります。この塗料の場合は、下塗り不要なので、2回塗りで仕上がります。

また、下塗りが2回の決まりはないですが劣化の激しい状態外壁の場合は、下塗りの回数が2回行う場合があり、結果4回塗りになってしまう場合も起こることがあります。

塗料メーカーのガイドラインに準拠しつつ、現場の劣化状況を見ての塗装職人による判断も大切です。

■下塗り2回塗りの様子

 

【ポイント4】高圧洗浄工事が含まれているか

4つ目のチェックポイントは、「高圧洗浄工事が含まれているか(外壁洗浄剤による高圧洗浄も含まれているか)」です。

 

塗装前の外壁洗浄は塗料の付着力向上に大きな役割があります。

一昔以前の外壁の洗浄工事においては「シーラー塗布を行うのだから、あまり注意する必要がないだろう。ただ高圧洗浄すれば塗装の剥離(めくれ)に対しては大丈夫だろう」くらいの感覚の塗装業者がたくさんおられました。

確かに15年前の耐用年数も短かったウレタン塗装主流の時代はよかったのかもしれませんが、近年の塗料の進歩して超耐久塗料や高耐久塗料が一般的になりつつあり、洗浄の重要性が大きくなりました。

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特に弊社では汚れが激しい場合や超耐久塗料を使う場合は、外壁の高圧洗浄を行う工事に外壁専用の洗剤(バイオ洗剤)を使用することをおすすめします。

洗剤を使った洗浄により、外壁塗装や屋根塗装の下地の清掃から外部の塵(チリ)や埃(ホコリ)を適切に除去できます。

 

バイオ洗浄(オリバークリーナー洗浄)

弊社の扱うオリバークリーナー洗浄は、とても効果的に汚れを落とすことができます。洗浄後は真っ白になり、新しく工事した時のイメージを再現することが出来ます。大谷石など柔らかい石の洗浄からタイルの洗浄にも適しています。

洗浄処理を入念に行うことで、塗料の性能を最大限に発揮する外壁塗装・屋根塗装工事ができるようになります。

(関連記事)外壁塗装におけるバイオ洗浄の役割・特徴とメリット デメリット

 

【ポイント5】内訳、単価や平方メートルに著しい違いがないか

5つ目のチェックポイントは、「(相見積もりの場合)業者よって内訳、単価や平方メートルに著しい違いがないか」です。

たとえば、業者によって「〇〇部分は対象外」になっていたり、人件費削減で単価が著しく違う場合は、相見積もりをとってもそもそもの工事内容が異なってくるので正しい比較ができません。

※対象外になりやすい箇所や業者によって差異が出そうな部分はポイント6以降で詳しく説明しています。

(補足)概算見積もりの参考例

以下は、自宅の塗装面積を算出する参考例(あくまで概算)です。少し計算が入っているのでご興味のある方だけご覧ください。

簡単に試算できるように開口部は同型にしています{玄関ドア北面(1)・勝手口ドア南面(1)・窓(8)}

■例の寸法

  • W1=W2=5m
  • L1=8m

 

同型としてみますので各面積:2倍として積算します。

面積の積算からA+B+C+D+E =147.9(㎡)(※ 開口部を含まれている面積になります)

  • A: A=h3(1.5m)×W2(5m)×1/2 ×2(2か所)=7.5(㎡)
  • B: B=h2(2.7m)×W2(5m)×2(2か所)=27(㎡)
  • C: C=h1(2.7m)×W2(5m)×2(2か所)=27(㎡)
  • D: A=h3(2.7m)×W2(8m)×2(2か所)=43.2(㎡)
  • E: A=h3(2.7m)×W2(8m)×2(2か所)=43.2(㎡)

 

次に玄関・勝手口・窓を算出します。ここでは、以下の場合で想定します。

  • 玄関ドア北面(1か所)
  • 勝手口ドア南面(1か所)
  • 窓(8カ所)

 

玄関ドア北面(1か所)・勝手口ドア南面(1か所):1.0(m)×2.0(m)×2(か所)=4(㎡)

窓(8カ所):1.0(m)×2.0(m)×8(か所)=16(㎡)

開口部面積=4(㎡)+16(㎡)=20(㎡)

 

上記より、概算面積の目安(塗装面積)は下記のようになります。

塗装面積(A+B+C+D+E)ー開口部面積 =147.9(㎡)ー20(㎡)=127.9(㎡)

※塗装面積127.9(㎡)は庇の面積やガレージ等の面積は考慮していません。また下記については考慮していないため、あくまで概算とお考え下さい。

  • 開口部のサイズ
  • 軒のサイズ
  • 鉄部・木部のサイズ
  • コーキング

 

(関連記事)【外壁塗装の見積もり総まとめ】見積書例と項目や内訳を徹底解説

 

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ここからは、外壁塗装パック商品でよく見積もり対象外になっていたり、工事対象・対象外がわかれやすい部分を説明していきます。

 

【ポイント6】ケレン工事(さび落とし費用)が含まれているか

6つ目のポイントは、「ケレン工事(さび落とし費用)が含まれているか」です。

 

 

全ての塗装工事で必要になるわけではありませんが、樋の汚れが多いが多い場合や鉄部の錆や汚れの撤去などが必要な場合は、さび落としの作業が必要になります。

電動工具や目粗し用のヤスリを使用してサビ落としを行います。手作業が多くなることにより経費が増える可能性があるので、チェックしておくべきです。

ケレン作業を手抜きして(下地にコケや錆が発生した状態またはコケや錆が残った状態で)、せっかく超耐久塗料を使用していても、十分な性能や仕上りが保証できずトラブルの原因になります。

ケレン工事は大切なチェック項目です。

ケレン工事(ケレン作業)について

ケレン工事の費用は作業日程が1日で収まる場合は、手間代=20,000~35,000円程度が一般的な費用の目安です。

※ケレン工事は、弊社の場合のように諸経費に含まれている場合もあります。

お見積書に記入されていない場合は、ケレン工事は工程に入っているかのご確認をおすすめします。

 

【ポイント7】付帯部塗装(鉄部塗装・木部塗装など)が含まれているか

7つ目のチェックポイントは、「付帯部塗装(鉄部塗装・木部塗装など)が含まれているか」です。

全ての塗装工事で必要になるわけではないので、箇所数または数量が業者によってまちまちになりやすい箇所です。

付帯部箇所 主な見積もり項目
鉄部塗装の主な見積もり項目
  • スチール雨戸
  • 小窓や出窓の庇
  • シャッターボックスなど
木部塗装の主な見積項目
  • 木部フェンス
  • 木製テラス
  • 化粧額
  • 破風

     

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    これらの塗装箇所は金属製や木製とは限りません。塩ビ(塩化ビニール)製品や樹脂製品もあります。

    箇所数や数量は間違われやすいのでチェックポイントです。足場撤去後に塗り忘れが起こらないように十分注意しておくことが大切です。

     

    【ポイント8】その他ヶ所(軒天、ガレージ、天井など)の塗装が含まれているか

    8つ目のチェックポイントは、「その他ヶ所(軒天、ガレージ、天井など)の塗装が含まれているか」です。

    見積書の内容のトラブルになりやすい項目として、ガレージの面積(壁・天井)が入っていない、または軒天(軒裏の天井)と庇とベランダのウラの部分の天井が含まれていない」というケースが多いようです。

    発注したのちに気づいて追加依頼すると「追加料金がかかります」となってしまいがちな項目ですので、契約前にチェック項目しておきたい重要項目になります。

    軒天の塗装やガレージの壁や天井の塗装工事は特に見積抜け(見落とし)が起こりやすいので注意が必要です。

    例えば下記の項目が見積もりに含まれている場合と含まれていない場合では、見積り書の項目で10%ぐらいの誤差が出てきます(100万円の見積もりなら10万円の追加費用になります)。

    • ガレージの壁の面積 :20~30㎡
    • ガレージの天井の面積:約10㎡
    • 軒天の面積:5~10㎡ (軒のサイズにもよります)

     

    外壁塗装のパック商品に注意

    外壁塗装でシリコン塗装50万円などのパック商品をよく見かけることがありますが、前述の付帯部(鉄部木部)や、その他軒天・ガレージ・天井などは除外されてることがよくあります。

    こういった部分の塗装については追加料金が掛かることが多いので、ご自宅の環境で付帯部の塗装が必要かそうでないのか、発注前に業者と打合せの上確認するようにしましょう。

     

    【ポイント9】補修作業が含まれているか

    9つ目のチェックポイントは、「(外壁の劣化が激しい場合)補修作業が含まれているか」です。

     

    外壁に関わる業者はおおむね下記の9種類があります。

    1. 足場業者
    2. 板金業者 (サイディング・水切り板金工事)
    3. 大工 (下地・造作工事)
    4. 左官業者 (下地・仕上げ工事)
    5. サッシ業者 (窓周り工事)
    6. コーキング業者 (窓周り・目地工事)
    7. 防水業者 (ベランダ・屋上防水工事)
    8. タイル業者(外壁の劣化による亀裂補修工事)
    9. 塗装業者

    塗装は(9)の工種になりますが、一口に外壁塗装といっても外壁劣化状態によって塗装以外の補修が必要なことも多いです。

    簡易な補修作業や応急処置については、基本コーキングによる補修が多いです。補修費用は材工(材料費+手間代=25,000~35,000)程度が一般的な費用の目安です。

    しかし、外壁の劣化がある程度深刻な場合、例えば外壁からの雨漏りや屋上からの雨漏れが発生している場合はこのような簡易な補修工事では対応しきれない場合が多いです。

    建物の劣化診断や本格的な補修が必要になる場合は、建築士や調査の専門業者のアドバイスが必要です。

    塗装以外の工事が必要な場合、補修工事を専門業者に依頼をしているか確認しておいた方が良いでしょう

    (関連記事)【外壁劣化の種類は?】塗装で直せる壁と塗装だけでは直せない壁の違い

     

    外壁塗装の相見積もりを活用する

    外壁塗装工事では、相見積もりをする方も多いです。ここでは、相見積もりのメリットデメリットをご紹介していきます。

    相見積もりのメリットとデメリット

    適正な見積もりかどうかを判断するために、相見積もりをするというやり方があります。

    相見積もりの大きなメリットは、工事内容と価格が妥当か、相場を確認することができることです。

    特に、いきなりの訪問や電話営業で外壁塗装を提案された際はその工事内容と価格が妥当であるのか分かりませんが、相見積もりをすることで初心者でも相場感が把握できるので非常に便利です。

    反面、デメリットは、相見積もりをした数だけ、立ち合いをしたり断りの連絡など手間と労力がかかることです。

    相見積もりのメリットとデメリットをまとめると下記の通りです。

    メリット デメリット
    • 工事内容と価格が妥当か、相場を確認することができる
    • 価格を比較して最も安いところに依頼できる
    • 他社との工事内容・項目を比較することができる
    • 相見積もりの時間や断りの連絡など1社に依頼するよりも手間と時間がかかる
    • 価格だけで選ぶと失敗する可能性もある(求める工事品質・納期と価格のバランス)

     

    外壁塗装の相見積もりのメリットデメリットや注意点に関する詳細は「【失敗しない外壁塗装相見積もり方法】見積もり前に確認したい重要項目」で解説していますので、相見積もりをお考えの方は合わせてご参照ください。
     

    相見積もりでよく利用される一括見積もりサイトのメリットデメリット

    最近では、相見積もりでよく一括見積もりサイトが利用されることも多くなってきました。

    外壁塗装の一括見積もりサイトは、外壁塗装や屋根塗装、防水工事などをしたいときに、複数の業者に一括で見積もり依頼ができるポータルサイトです。

     

     

    一括見積もりから現地調査・外壁塗装工事までの一連の流れは下記の通りです。

    1. お客様が一括見積もりポータルサイトで外壁塗装の依頼概要を記載の上見積もり依頼する
    2. 見積もりポータルサイトから、加盟店の塗装会社・リフォーム会社に依頼が発信される
    3. 各塗装会社・リフォーム会社が内容を確認してお客様宛に見積もり調査のための電話がかかってくる
    4. 各業者の見積もり調査の日程調整・立ち合いを行い、見積もりをもらう
    5. 各業者の見積もりをみて、採用した業者に発注連絡を行う。
    6. 業者との打ち合わせのうえ、外壁塗装工事が行われる

     

    加盟している業者は、一括見積もりサイトの利用料として、見積もりサイト運営者に報酬を支払います。報酬は月額制のところもあれば、成果報酬制のところもあり様々です。

    ■成果報酬の場合

    • 契約金額(外壁塗装の販売価格):100万円
    • 一括見積もりへ支払う報酬:(上記の100万円のうち)5万円~10万円を報酬料として支払い

     

    お客様にとっては一括で複数の業者に依頼することができるという大きなメリットがありますし、業者側にとっても新規営業・広告をかけなくても見積もりサイトから連絡が来るので、顧客開拓に繋がるというメリットがあります。

    水野社長_カラー
    引越しの際に一括見積もりサイトを利用したことのある方は多いのではないでしょうか。引越しの一括見積もりサイトの外壁塗装版といった感じになります。

     

    一括見積もりサイトのメリットデメリットは下記の通りです。

    メリット デメリット
    見積もりポータルサイトを活用する場合
    • 一括で複数の業者に依頼することができる
    • 工事内容と価格が妥当か、相場を確認することができる
      (最も安いところに依頼しやすい)
    • 他社との工事内容・項目を比較することができる
    • 各業者から一気に確認の連絡が来るので対応の返事に手間がかかる
    • 自分で良いと思った業者を選定がうまくできない場合がある
    • 安さだけに目がいき質の低い業者に当たってしまうこともある

    例えば、簡易な塗装工事であればポータルサイトで依頼した業者でも十分対応できると思います。

    しかし、外壁の劣化が気になる・どの工事が必要になるか分からないなど、工事のレベルがどの位になるか分からない場合は、ポータルサイトで見つけた業者では対応仕切れない場合もあるので注意が必要です。

    一括見積もりサイトについて詳しくは「外壁塗装一括見積もりサイトのメリットデメリットを一級建築士が解説」をご参照下さい。
     

    相見積もりで業者への断り方

    相見積もりをした場合、どこかしらの業者に対しては断りを入れることになります。

    先に結論から言いますと、相見積もりの場合で素直に「他社で外壁塗装の工事を依頼しました。」と言っても問題ありません。

    断り方は「電話」でも「メール」でもどちらでも構いません。手紙などは時間差があったりするためあまりおすすめではありませんが、意識しておいた方が良い点は「早く明確に」です。

    ■見積もりの断り方の3つのポイント

    ①:できるだけ早く断る

    ②:あいまいな表現ではなく明確に断る

    ③:断りの理由はあってもなくても良い

     

    外壁塗装業者への見積もりの断り方を業者視点で徹底解説」の記事に例文もつけた断り方をご紹介していますので、相見積もりをされる方は合わせてご参照ください。

     

    見積もりの相場や、見積もり金額における注意事項については「【外壁塗装の見積もり・費用相場はいくら?】業者の立場から徹底解説」にも詳しく記載していますのであわせてご参考いただけますと幸いです。

    まとめ

    まとめです。今回は、これから外壁塗装を検討されている方向けに、弊社で利用している外壁塗装の見積書を例に、各項目の内容と内訳を解説しました。

    なお、業者によっては下塗りと下地処理が一つの項目として表現されていたり、表現方法は業者によって異なる場合がありますので、あくまで参考としてみていただければ幸いです。

    弊社も大阪を中心に皆様のお家の外壁塗装工事をさせていただいております。

    もし外壁塗装工事で疑問点・ご相談などございましたら「ミズノライフクリエイト」にお越しいただけたらと思います。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

     

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